十勝安心作物の会
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俺らのこだわり
その1
 収穫が終わった畑には、「ご苦労様」の感謝の気持ちを込めて、ゆっくりと寝かせておいた栄養たっぷりの堆肥をふる。
何故なら、作物は畑の中のいろいろな栄養を吸い上げて人間に与えてくれるから。畑に感謝と恩返し。来年もまた頑張ってもらいたいから…。
 それに、十勝の冬はマイナス25〜35℃にもなるしょ。雪も60cm〜70cmも降って雪の重みで土もぺちゃんこ。けれども、堆肥をふり混ぜておいた畑は発酵熱もあるから、ふっかふっかのお布団のようになるんだ。
母さんのひとり言
 雪の下でも微生物が活動してくれるおかげで、ふっかふっかになるんですって。
すみません。私は春まで休ませていただきます。
その2
 芽が出始めたら除草剤は絶対かけない!何故なら、除草剤は雑草の成長をとめて、壊死させるのが目的だから。
 赤子の芽(出始めた芽)にだって良い影響を与えない。現に、散布後一週間は成長がぴたっと止まるんだ。
 「すくすくと、素直に、まっすぐ育って欲しい…」 だから、俺らは除草剤をかけない。
 じゃあ雑草はどうするの?って? ウチの母さんと一緒にほーで草取りするんだ。だから、大丈夫!
母さんのひとり言
 一つ目の芽を見つけたら、うれしくてうれしくて、思わず「みんな早く出ておいでー。待ってるからー。」って叫んじゃうのよ。確かに暑くて良い天気の日の草取りは、畑も広いしとっても大変だけど、子供の成長を見ているのと同じ気持ちで、全然苦にならないんだよ。
その3
 残留性のある農薬は、絶対使わない!北海道庁で決められた農薬の中から、必要最低限の量と回数(※)だけ使用する。
 むかしむかしから使っている、作物にも畑にもやさしい殺菌効果のあるお酢などで補いながら、栄養をつけ、たくましい作物を育ててる。とても手間はかかるけどね…。
 だけど、俺らはみんなの口に入る、安全な物を供給し続けなければならないし、責任も持たなければならない。だから、俺らは残留性のある農薬は絶対使わない!
 これが、俺らに与えられた天命だと、自信を持って、胸を張って言いたいから。
母さんのひとり言
 農薬は、使う人にとってももちろん良くないので、みんな使って欲しくないなー。
  ※農薬の散布量の比較
小豆 大豆 金時 手亡 高級菜豆
北海道庁で決められた撒布量 14 13 18 15 11
十勝での撒布量 7 7 8 6
その4
 収穫した作物は、にお積みをする。もしくは、自然乾燥させる。何故なら、茎が熟しても、莢の中の実はまだまだ柔肌の状態なので、大事に大事にしたいから。
 天気の良い日の、太陽が上がる寸前の露のある時間に刈り取りを始めて、露が切れる8時頃までには終わらせる。莢がパチパチと鳴る合図を聞いたら、にお積みをして2〜3週間、じっくり自然乾燥するまで待つ。1反で3〜5個のにお積みは、男でも辛い仕事の一つ。母さんはもちろん、子供や親戚にも手伝ってもらっての大仕事だ。けれども、北は大雪山、西は日高山脈、南に太平洋と、北海道の東に配する十勝の気候風土は、豆の風味とコクを引き出す。
  冬の寒さは、日本一の氷点下。
  春の気候は、「とかち晴れ」の言葉通り雲一つない青空。
  夏の暑さは、年に1〜2度これまた日本一の暑さを記録する。
  秋の収穫の時期は、めまぐるしく変わる天候の中で、日高山脈からの寒風が吹き下ろす。
 この寒風が、にお積みした豆を自然乾燥させ、豆本来の渋み、旨みを引き出すのだ。だから俺らは、にお積みをする。
母さんのひとり言
 にお積みは、確かに骨が折れるけど、おいしいものって手間をかけなきゃね。それに、みんなで総出の仕事も楽しいわ。
その5
 最後の最後まで手を抜かない。天気の良い風のある日、さやの中の豆とよく相談をしながら、豆落としをする。豆はとてもデリケート。機械まかせにしたり自分達の仕事の都合に合わせると、せっかくの豆の皮が剥けたり割れたりと、おいしい豆を作るのに影響してしまう。だから、最後の最後まで手を抜かない。
 自分たちの取り上げた豆たちを、「おいしい」と言ってもらえたら生産者冥利に尽きるって。
母さんのひとり言
 かわいい娘を嫁に出すような気持ちだよね。
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